「蒼天航路」第二十六話のマモ
私には、完璧に第2期を意識した展開になっていたとしか思えないような最終回でした。蒼天少女でも、続編ありみたいな事を匂わせていたけれど、終わったという気が、全くしない最終回って、作品展開的にどうなんでしょうか。なんかスッキリしないような、じれったい感じの残る最終回に思えたのは私だけ ?
でも、私的には、大好きな戦略戦、心理戦の展開だったので、ワクワクしながら見てしまったんですけどね。
「袁紹、えらい大軍を率いてきたもんだな。この首ひとつに、相変わらずご大層な男だ。ようし、ここは逃げるとしよう。袁紹くんはやはり、数で勝負に出るようだ。袁紹、こっちは3000、捕まれば終わりだからな、逃げさせてもらうぞ。ハハハハハ」
あぁ、もう、、こういう言い方が出来る宮野真守演じる曹操のお芝居、最高です ☆☆☆
この、思わせぶりタップリの、嫌味を込めた、挑発的な言い方。袁紹という人物を知り尽くした上で、その感情を逆撫でする術を心得た言い方。あえて「3000」という数を誇張し、「数で勝負」という言葉を使うことで、曹操を追わせる人数を5000に抑えさせる心理的な誘導。逃げるなんて意識は、これっぽっちもないのに、あえて、逃げさせてもらうぞと言う曹操。まさしく「弄んでいる」って感じ。昔からの、曹操と袁紹の関係の再現って感じで、なんかもう、聞けば聞くほど、小気味良くて、、、もう、マモ曹操のこのセリフの言い方、大好きです。
「鬼獣関羽、次の戦場では、劉備が現れるようであれば、劉備を殺せっ ! 」
そして、一転して、氷のように冷徹に、感情を排除した命令を、淡々と下してくる曹操。
「お前の器量を、超えてはおるまい」
「鬼獣の装束」と「為政者の装束」、関羽自身ですら気づいていない関羽の本質を見抜いている曹操だからこそ下せる命令、曹操の人を見抜く才能って、ほんとに凄いです。そして、マモボイスで発される「劉備を殺せ」の言い方は、背筋が凍りそうなくらい恐い、甘いからこそ恐い。
この後の、曹操と文醜の読み合い合戦、こういうの大好きです。
だけど、今回は、今までの賈詡達らの時のようなハラハラ感は全くなくて、兵力分散とかしちゃって、一方的に曹操に踊らされてるって感じでしたが。それでも、相手の心理を読んで、結果、相手を思惑通り、意のままに操ってしまうという展開は、気持ち良くて好きなんですよねー。
「このまま逃げるのも退屈だな、荀攸」
いきなりいたずらっ子のような事を言い出す曹操。
「兵を動かしてもいいか ?」 って、、、
あえて「兵を動かすぞ」と言わない、このお茶目すぎるこの言い方がたまりません。何より、こういう危機迫る切羽詰った状況のはずなのに、こういう展開を楽しんでしまう曹操という人物、そして、そう感じさせてくるマモのお芝居。曹操を、マモで見られて良かったと感じる瞬間です。
「さぁ荀攸、殺そうか、文醜は見事すぎるほど袁紹の武将だ」
自分の思惑通りに相手が動いたのに、嬉しいという気持ちよりも、逆に飽きちゃったみたいな、ガッカリしたような、むなしささえ感じさせてくるこの言い方。多分、相手が、思った通りに動いてしまったからこそ、そういう感情になってしまうんでしょうね、曹操にとっては。
「お前達には心の闇がない。心に闇がないものは確かに強い。だが、俺以上に心に闇を持ち、俺を惹きつけるものだけが、俺の全てを奪う事ができるのだ」
今回、このセリフが、今までの曹操という人物の、生き様全てを表していたのかなって思いました。誰もが恐ろしいと感じてきた曹操の一面って、心の闇の部分が放つオーラなのかも。
まるで、自分にも言い聞かせているかのように、淡々と、自分の本質を口にする曹操。曹操の、人材集めも、そういう、似たもの同士を求める心からで、それって、無意識に好敵手を求めるようなものなのかも。けど、曹操ほどの人物と対等の闇を持って、それを超える人物なんて、いるんでしょうかね。
袁紹との実質的な対決はバッサリだったけど、見事すぎるほど袁紹の武将である文醜を、一刀のもと切り倒したということで、暗黙の内に袁紹にも勝利したということなのかな。
私は三国志という世界には全く詳しくないけれど、ゲームや話題の中で、無意識に入ってくる、曹操や劉備、それを取り巻く人物のイメージというものはそれなりにあった訳です。けど、今回、マモが曹操を演じた事で、私が曹操という人物に持っていた今までのイメージは、全部覆されてしまいました。
マモが生きた曹操は、天と地を貫くような、強い意識と意志を持ち、そこに根付く信念は揺らぐ事がなくて、偏見を持たず、人の器そのものを見る事が出来、自分にないものには、そこに憧れさえもってしまう。そんな生き様を、宮野真守の艶のある独特のボイスで、そこに深くて強い想いを込めて演じてくれたことで、私の中の曹操は、自分の信念を貫く、清々しいまでに精悍で、たまらない程の魅力を持つ、愛すべき、憧れの人物になってしまいました。マモが命を吹き込んで息づかせた人物は、みんなそうなんだけど、今回の曹操は、ちょっと、言葉では上手く言えないのですが、一種独特の大きさと重さ、そして、今までにはないオーラを感じさせてくれました。水晶や鄒氏と絡む時の艶っぽさときたら、もう、腰が砕けそうなくらい甘くて、私の中で、いろんなパターンのマモ曹操ボイスが、すっかりクセになってしまっています。後半の曹操って、確か40歳以上だったはずだけど、想いから入るマモのお芝居では、そんなもの、なんの違和感もなかったですし。
マモが曹操を生きてくれて、ほんとに良かったです。まだまだ展開的には不完全燃焼って感じなので、この先を生きていく曹操の人生を、是非ともマモの、想いのこもったお芝居で続けて見せてほしいと、心から思います。



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